保育園以外で、保育士資格を活かせるおすすめな仕事を紹介します。
保育士として働いている人の中には
- 自分は保育士に向いていないのでは
- 勤務している保育園の待遇が悪い
- 仕事が忙しすぎる
と悩み、転職を考えている人もいることでしょう。
しかし保育士資格は保育園だけでしか活用できないわけではありません。
保育園以外でも資格を活かせる仕事はたくさんあります。
保育士が保育園以外で資格を活かせる職6選!
意外にも保育士の資格を活かせる仕事はたくさんあります。
一つひとつ解説していきますね。
1.福祉施設
保育士の資格が生かせる仕事で一番求人が豊富で選択肢もたくさんあるのが「福祉施設」です。
保育士として働くことができる福祉施設には下記のようなものがあります。
- 児童養護施設
- 乳児院
- 児童発達支援施設
- 母子生活支援施設
- 放課後等デイサービス
児童養護施設・乳児院
どちらの施設も、何かしらの理由があって親が子どもを育てることができない場合や、親がいない家庭の子どもを養護するための施設です。
この2つの施設の違いは、入所できる子どもの年齢です。
乳児院:原則として乳児(1歳未満)
児童養護施設:原則18歳まで
しかし、実際は乳児院では3歳くらいまで入所している子どもが多く、児童養護施設は特別なケースを含めると22歳まで入所できます。
乳児院には保育士以外に、
- 看護師
- 栄養士
などの職種の人たちが常勤しているところが多いです。
また、児童養護施設も乳児院と似ている部分はありますがその他に、
- 児童指導員
- 家庭支援専門相談員
などの職員が配置されています。
児童発達支援施設
児童発達支援施設は、障害がある未就学児を預かる通所施設です。
子どもが自活していくための支援や集団生活に適応していくための訓練を行っています。
大きく分けると、「福祉型」「医療型」に分けることができますが、医療型では看護師の募集が多いため、保育士資格が活かせるのは「福祉型」です。
児童発達支援施設では、
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 臨床心理士
- 臨床発達心理士
など、様々な資格を持った人が働いています。
母子生活支援施設
母子支援施設とは、住む場所や経済的に困っている18歳未満の子どもを養育している母子家庭、もしくは何らかの理由で離婚ができず支援を必要としている家庭に生活の場を提供している施設です。
母子生活支援員になるためには、
- 保育士
- 社会福祉士
- 精神保健福祉士
- 児童指導員
などの資格が必要です。
比較的「保育士」募集のところが多いのですが、母子生活支援施設の全国数がそこまで多くないためそもそも求人数が多くありません。
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスとは、障害がある児童(小中高生)を学校終了後に預かる施設です。
障害児の学童のような位置付けですね。
放課後等デイサービスのスタッフは主に
- 児童指導員
- 保育士
で構成されています。
ほとんどの施設で送迎業務も含まれますので、自動車普通免許が必須となります。
2.企業内保育施設
企業内保育施設とは、企業で働く従業員が自分の子どもを預けることができる保育施設です。
名前の通り、その企業内に保育所がある場合もあれば、近隣の場合もあります。
その企業の営業時間に合わせて、保育所は運営されていますので、通常の保育園に比べて土日はしっかり休める可能性があります。
近くに保護者がいるため、子どもが急に体調を崩したとしてもすぐに連絡が取れて安心ですね。
3.病院内保育施設
病院内保育施設とは、病院に勤務している親の子どもを預かる保育所のことです。
病院内保育は先ほどご説明した企業内保育と似ていますね。
24時間体制で働く医師や看護師の勤務体制に合わせて、病院内保育施設も24時間体制のところが多いです。
そのため、病院内保育施設で働く保育士は、夜勤もあります。
しかし、その分お給料が高かったり、夜勤の時は子どもも寝ていますので、通常の保育所に比べて子どもに手がかからないことも。
4.ベビーシッター
ベビーシッターは主に個人の家を訪問し、保護者に代わって子どものお世話をするお仕事です。
保育士の資格がなくてもベビーシッターとして働けるところもあり、人気のあるお仕事です。
「ベビーシッター」でイメージするのは、乳幼児かもしれませんが、実際は兄妹もいたりするので小学生の子も対象になることが多く、家事だけでなく習い事への送迎業務なども任されることがあります。
人気があるシッターさんは時給が上がっていくシステムを取り入れている企業もあり、頑張るほどモチベーションが上がっていきます。
5.学童保育
学童保育とは、学校の授業終了後に子どもを預かる施設です。
親が仕事で自宅にいない家庭の子どもに、遊びや生活の場を提供しています。
預かる子どもの対象は小学生のみです。(小学3年生までとしているところが多い)
学童指導員になるために必要な資格等は特にありませんが、人気のあるお仕事なので保育士の資格があれば有利でしょう。
事業所によっては送迎業務があるところもあります。
6.病児保育施設
先ほどの「病院内保育施設」と混同されがちですが、全くの別物です。
病児保育とは、病気の子どもを預かる保育施設です。
普段仕事をしている親は、子どもの急な体調不良に対応できない場合もありますのでそんな時に利用される施設です。
保育士は、常に病気の子どもと接しなければなりませんので、保育士自身も体調管理に気を付けなければなりません。
意外な仕事も!
保育士の資格を活かして、子ども用品の開発や販売を行っている子ども関連の企業で働いている人もいます。
- 子ども服
- おもちゃメーカー
- ベビー用品
これまでの保育士のスキルを販売や開発に活かせるなんて意外ですよね。
また、保育士から絵本作家に転身したという人もいます…!
平均給与の差は?施設ごとに比較してみた
気になるお給料について比較してみたいと思います。
ちなみに通常の保育園での保育士の平均給与は、月給約23万円、時給1100円ほどです。
下記の表は首都圏の求人を参考にしています。
月給 | 時給 | 求人数 | |
児童養護施設 | 22~25万円 | 1050円~ | ○ |
乳児院 | 22~26万円 | 1050円~ | △ |
児童発達支援施設 | 17~20万円 | 1100円~ | △ |
母子生活支援施設 | 17~22万円 | 1100円~ | △ |
放課後等デイサービス | 19~25万円 | 1050円~ | ◎ |
企業内保育施設 | 18~20万円 | 1100円~ | ○ |
病院内保育施設 | 16~20万円 | 1070円~ | ○ |
ベビーシッター | 16~25万円 | 1100円~ | ◎ |
学童保育 | 17~20万円 | 1020円~ | △ |
病児保育施設 | 20~26万円 | 1100円~ | ○ |
※職場や地域・経験年数によって大幅に変わってきますのでご注意ください。地方になると、時給1000円を切るところも多いです。
時給はどこも同じような相場となりました。
無資格の場合は、これよりさらに下がると思われます。
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【実体験】放課後等デイサービスで働いてみた感想
実際私は、保育士資格を活かして現在「放課後等デイサービス」でパート勤務として働いています。
子どもは小学1年生~高校3年生までいるため幅広い
障害の程度の差が一人ひとり大きく異なるため、集団遊びは難しい場合がある
送迎が必須なので運転することが多い
保育士資格もしくは教員免許を持ったスタッフで構成されている
子供の長期休み(春・夏・冬)は勤務時間が長くなる
シフトの融通が利きやすい
※私が勤務している放課後等デイサービスを基準にしています。
ちなみに勤務日数は週4日、勤務時間は平日5.5時間程、土曜日は7.5時間です。
時給は1300円と相場より高めです。
働く前まで「放課後等デイサービスって小学生以上高校生以下が対象なのに、保育士って必要なの?」と疑問に思っていましたが、職員の配置基準で子ども10人に対し保育士または児童指導員が2人以上必要と法律で定められているのです。
保育士は幼児教育だけでなく、障害福祉の勉強も学校でしてきているため、放課後等デイサービスでの保育士は需要アリです。
実際私も保育実習の時、保育園だけでなく
- 児童養護施設
- 就労支援B型
で実習を受け「福祉の方が楽しいかもしれない」と思った経緯がありました。
そして、放課後等デイサービスで働いてみて感じることは、良い面も悪い面もどちらもあるということです。
【良い面】
- 障害を持った子ども一人ひとりと深く関われる
- 子どもの成長に携われることができる
【悪い面】
- 「支援」なのか「指導」なのかよく分からないことが多い
- 「障害」を理解していないスタッフが多い
前に、ものすごく重度の知的障害者の通所施設で働いていたことがあり、その時の記憶が強烈だったので、「え、放課後等デイサービスってこんな自由なんだ」と最初は驚きました。
前は本当に一瞬たりとも目を離してはいけないような状態で常にピリピリした空気の職場だったので、普通におもちゃで遊べる子どもたちを見て「ほのぼのしてるな」と思ったのです。
悪い面に関してですが、「スタッフの共通認識がない」というのが正直な感想です。
スタッフ間の連携がしっかりしている事業所は違うのかもしれませんが、私が働いている放課後等デイサービスは、9割がパートで構成されていて1日の勤務時間も短いですし、個々が自分のやり方で子どもに接している感じなんですよね。
子どもに対して「注意」ではなく「怒る」人が多い印象です。
あと、送迎業務と保護者対応もあります。
私はそれが全然慣れず、今のところ働く上で一番ネックになっている部分です;
まとめ 保育士の資格は活かせる!
現在、全国に「潜在保育士(保育士資格を持っているが保育施設に勤務していない人)」が95万人以上もいると言われています。
保育士の資格を活かせる職は保育園以外にもたくさんありますので、興味がある人は調べてみてくださいね。