心理・マインド

インポスター症候群とは?HSPと症状が似ている?対処法についても紹介

インポスター症候群(Impostor syndrome)って聞いたことありますか?

最近急増しているなんて言われたりもしていますが、一体どんな症状なのでしょうか。

HSPと関係あるの?

インポスター症候群の症状とHSPの症状には共通している点がいくつかありました。

今回この記事では、インポスター症候群とその対策、HSPとの関連性についてお話しています。

この記事はこんな人におすすめ!
  • 自分はインポスター症候群なのかもしれないと疑っている
  • HSPとの関連性が知りたい
  • インポスター症候群の克服方法が知りたい

インポスター症候群とは?どんな症状?

インポスター症候群とはどのような症状なのでしょうか?
陥りやすい人の特徴も併せて見ていきましょう。

インポスター症候群の症状

インポスター症候群とは、「自分に自信が持てず自己肯定感が低い心理傾向」のことです。

成功しているのに、実績を積んでいるのに、「それは自分の能力ではない」「運がよかったから」などと思い込み、過小評価してしまいます。

周りからしたら「謙虚で控えめな人なんだな」と思いがちですが、本人は自信のなさから本当に自己評価ができずに悩んでいることが多いのです。

また、インポスター(Impostor)は、「詐欺師」「偽物」といった意味です。
インポスター症候群は「自分はみんなが思っているほど能力はないし過大評価されている。本当は自分に実力がないことがいつか周りにバレてしまうのでは」という心理状況に陥っている特徴があります。

なお、インポスター症候群は病気ではありません。

1978年心理学者のポーリン・R・クランスとスザンヌ・A・アイムスによって提唱された概念だよ。

提唱者であるクランスは「誰もが一度は経験するもの。特別なものではない」と述べています。

 

性別や年齢は関係ある?

インポスター症候群は、社会的に成功した女性に多いという研究が出ています。(しかし男性でもこの心理状況に陥ることが調査によって明らかになっています。)

年齢は関係ありません。
成功者に多いとされていますので、インポスター症候群に陥る人は年齢層的に高めかと思いきや、若い人にも多いんだとか。

インポスター症候群は今から40年以上も前に提唱されたものですが、海外の著名人らが自身がインポスター症候群であることを告白したことで、近年注目されるようになりました。

  • 女優のエマ・ワトソン
  • 俳優のトム・ハンクス
  • フェイスブックCOOのシェリル・サンドバーグ

 

上記のような、社会的に大成功している人だけではなく、インポスター症候群は一般的には会社で働く人に多く、自信のなさから昇格・昇進を見送るといった行動をしてしまう人もいます。

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HSPと症状が似ている?!インポスター症候群との関連性

「あれ…?インポスター症候群ってHSPに似てない?」と思った人もいるのではないでしょうか。

HSPって?

HSPとは、生まれつきとても繊細な気質を持った人のことで、5人に1人はHSPだと言われています。

HSPの特徴
  • 自己否定が強い
  • 周囲に気を遣いすぎる
  • 失敗は許されないと思っている
  • 常に相手を優先してしまう

インポスター症候群の特徴では、

  • 自己肯定感が低い
  • 完璧主義
  • 人に頼るのが苦手

などが挙げられますので、HSPの特徴によく似ています。

「HSP」「インポスター症候群」どちらも病気ではなくその人のもつ「気質」ですので、HSPの人はインポスター症候群に陥りやすいかもしれませんね。

 

ただし、HSPとインポスター症候群には大きな違いがあります。

それは、HSPは生まれ持った気質なのに対し、インポスター症候群は後天的な要因が強いという点です。

インポスター症候群に陥る要因

インポスター症候群に陥る要因は育った環境や、心理的要因など様々な面から考えられます。

  • 「完璧」を求められて育った
  • 周囲から「優秀」と言われて育った
  • 女性の社会進出に対して否定的な環境で育った
  • 成功することで周囲から妬まれるのではないか
  • 失敗したとき叱られたり目立ちたくない
  • 業績を上げることで仕事量を増やしたくない

特に幼少期から完璧を求められて育った場合や、優秀だと言われて大人になった人は、周りから見た自分と、自分の知っている自分に大きなギャップが生まれています。

なので、成功したり評価されても「本当の自分がいつか周りにバレてしまうのでは」という不安を抱いてしまうのです。

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インポスター症候群の対策・対処法

インポスター症候群は病気ではないため”治療”方法はありません。
ですが、克服するための考え方や対処法、やらない方が良いことについてお話します。

インポスター症候群克服方法

自分を褒めてあげる・認めてあげる

人から褒められることが苦手なインポスター症候群の人は、自分自身を褒めてあげることも苦手です。

「自分で自分を褒めるなんて…自分は褒めるに値しない」

と思っているかもしれません。

そんな場合は、上手くいったことと失敗したことどちらも紙に書き出してみましょう。
日記を書いて1日を振り返るのもおすすめですよ。

小さな成功や、上手くいった出来事を日々整理して積み上げていくことで、自信につながります。

 

未来のことは考えない

未来のことを考えて不安になる人というのは、良く捉えるとリスク回避能力が高いともいえます。

しかし、起きてもいない悪いことばかり考えてしまっては、先に進むことが出来ません。

インポスター症候群の人は、「成功した後のこと」「失敗したときのこと」をネガティブに考えすぎてしまう特徴があります。

人間誰でも未来は怖いものです。

10年後・20年後のことなんて誰にも分かりません。
それと同じで、仕事も半年後・1年後どうなっているかなんて分からないものです。

心配事はなくなることはないかもしれませんが、出来る限り今を生きていきたいですね。

 

自分に優しく他人に優しく

完璧主義が特徴でもあるインポスター症候群の人は、自分に厳しくしすぎな面があります。

反して、他人には優しく自分にだけ厳しいという人も多いので、「他人も良いけど、自分にも優しく」を意識してください。

「完璧な人間なんていない」とはよく言いますが、全くもってその通りであり、完璧を求めすぎると自分が疲れてしまうだけでなく、周りから「あの人は失敗しない」と思われてしまい、さらに症状が悪化しかねません。

誰でも失敗するものなのですから、肩の力を抜いてくださいね。

 

人から褒められたらまずお礼を

インポスター症候群の人は人から褒められると「ありがとうございます」より先にも「いえいえ、私は何も」「みなさんのおかげです」などと言ってしまいがちです。

日本人は控えめに振る舞い、相手を立てることを”美徳”とする謙遜文化が根付いていますので、それも関係しているでしょう。

謙虚でいることは悪いことではありません。
ですが、謙虚すぎるとせっかく褒めてくれた相手の気分を害してします恐れさえありますので、褒められた時はまず最初に笑顔で「ありがとう」を伝えることを心掛けてみてください。

 

インポスター症候群の人はやらないで!

人と比べる

特にインポスター症候群の人にやってほしくないのは「人と比べる」という行為です。

とは言っても、人と比べてしまうのが人です。

人と比べてポジティブな方向に物事を進められる人であれば問題ありませんが、大抵の場合人と比べることで落ち込みます。

インポスター症候群の人は、成功しても「あの人の方が能力があるのに。今回の成功はまぐれだ。」など、誰かと自分を比べて自分を認めてあげることができません。

比較癖をやめたい人はこちらの記事を参考にしてみてくださいね。

人と比べる癖をやめる5つの方法!不幸な思考からサヨナラしたい人必見! 気が付くといつも誰かと自分を比べて、勝手に落ち込んでいる人いますよね。 珍しく褒めてもらったのに「いや、自分は○○さんに比...

 

ネット検索しすぎない

ネットで言われていることって現実では全然当てはまらないことが多いんですよね。

自分の置かれた立場や悩みをネットで検索する人は多いと思うのですが、それでさらに落ち込んだ経験ありませんか?

ネットでの記事やコメントは基本、辛辣です。

”専門家”なる人のめちゃくちゃ辛口なコメントを見ると「やっぱり自分はダメなやつだ」とさらに自分を追い込んでしまうことも。

SNSも同じです。好き勝手言い放題のプラットフォームなので、落ち込んでいるときは見ない方が良いでしょう。

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まとめ

インポスター症候群とは、このようなものです。

  • 自分に自信が持てず自己肯定感が低い
  • 周りが思っているほど自分には能力がないという心理
  • 周りを騙しているのでは、いつか自分の能力のなさがバレるのではという心理

自分が思っている自分と、周囲の思っている自分にギャップが生まれた時、インポスター症候群に陥りやすいと考えられています。

生まれつき持って生まれた気質である「HSP」と違い、インポスター症候群は後天的な要因によって症状が出やすいため、自己肯定感を高めてあげるような対策が必要です。

最後までお読みいただきありがとうございました。